キッチンは何畳がベスト?タイプ別広さとレイアウト例
目次
キッチンの広さを畳数で考えるのは、新築やリフォームを検討する上で重要なポイントです。
しかし、「何畳が適切なのか」は、家族構成や料理スタイル、キッチンのタイプによって大きく異なります。
適切な広さを判断するには、いくつかの要素を考慮する必要があります。
今回は、キッチンの広さを畳数で考える際の注意点と、タイプ別の適切な広さについて解説します。
畳の規格の違いについても触れ、具体的な面積を提示することで、より明確なイメージを持って頂けるよう努めます。
キッチンは何畳が適切か検討するためのポイント
畳の規格による面積の違い
「畳」という単位は、地域や時代によってサイズが異なります。
一般的な畳のサイズは、京間(955mm×1910mm)、中京間(910mm×1820mm)、江戸間(870mm×1740mm)、公団間(850mm×1700mm)などがあり、それぞれ面積が異なります。
4.5畳であっても、京間なら約8.2㎡、江戸間なら約6.95㎡と、約1.25㎡もの差が生じます。
キッチンの広さを検討する際には、使用する畳の規格を明確にすることが重要です。
キッチンタイプ別の必要畳数目安
キッチンのタイプによって、必要な広さは大きく異なります。
・I型キッチン
シンプルで省スペースなI型キッチンは、3畳程度から設置可能です。
ただし、収納スペースを確保するためには、もう少し広いスペースが望ましいでしょう。
・L型キッチン
作業スペースが広く取れるL型キッチンは、4.5畳以上が目安です。
コーナー部分のデッドスペースを有効活用する工夫も必要です。
・対面式キッチン
リビングとの一体感を重視する対面式キッチンは、4.5畳〜5畳程度が一般的です。
通路幅や収納スペースも考慮すると、さらに広いスペースが必要になる場合があります。
ペニンシュラタイプであれば4.5畳程度で設置できますが、アイランドタイプの場合は5畳以上が必要になります。
・アイランドキッチン
開放的で複数人での調理にも適したアイランドキッチンは、5畳以上が推奨されます。
通路幅を十分に確保するために、さらに広いスペースが必要になることも考慮しましょう。
・II型キッチン
シンクとコンロが並んだII型キッチンは、作業スペースが広く取れる反面、通路幅を確保する必要があります。
4.5畳以上を目安とし、通路幅は80cm以上、できれば120cm確保したいところです。
通路幅とワークトライアングルの重要性
キッチンの使い勝手を左右する重要な要素として、通路幅とワークトライアングルがあります。
通路幅は、70cm以上は必要で、家族構成や収納の大きさによって90cm以上が望ましいです。
ワークトライアングル(冷蔵庫・シンク・コンロを結ぶ三角形)の各辺の合計は、360cm~660cmが理想的です。
LDK全体のバランスとキッチンの広さの関係
キッチンの広さを決める際には、LDK全体のバランスも考慮する必要があります。
キッチンが大きすぎると、リビングやダイニングが狭くなってしまいます。
逆に、キッチンが狭すぎると、調理がしづらくなってしまいます。
LDK全体の広さと、それぞれの空間のバランスを考慮した上で、キッチンの広さを決定することが重要です。
収納スペースとキッチンの広さの関連性
キッチンの広さだけでなく、収納スペースの確保も重要です。
十分な収納があれば、キッチンを広く見せる効果もあります。
パントリーなどを併設するのも一つの方法です。
キッチンの広さを決める前に、必要な収納量を把握しておきましょう。

キッチンタイプ別必要畳数とレイアウト例
I型キッチン
I型キッチンは、コンパクトな空間にも設置できるシンプルなレイアウトです。
3畳から設置可能ですが、収納スペースや作業スペースを考慮すると、4畳以上あるとより使いやすくなります。
レイアウトは、壁面に沿って一直線に配置するのが一般的です。
L型キッチン
L型キッチンは、作業スペースが広く取れるレイアウトです。
4.5畳以上が必要で、コーナー部分の有効活用がポイントとなります。
レイアウトは、壁に沿ってL字型に配置するのが一般的です。
対面式キッチン
対面式キッチンは、リビングとの一体感を重視したレイアウトです。
4.5畳〜5畳程度が目安ですが、アイランドタイプの場合は5畳以上が必要となります。
レイアウトは、リビング側にカウンターを設け、背面に収納を配置するのが一般的です。
アイランドキッチン
アイランドキッチンは、開放的でスタイリッシュなレイアウトです。
5畳以上が必要で、通路幅を十分に確保することが重要です。
レイアウトは、キッチン本体を独立して配置し、周囲に通路を確保するのが一般的です。
II型キッチン
II型キッチンは、作業スペースが広く取れるレイアウトです。
4.5畳以上が必要で、通路幅は80cm以上が望ましいです。
レイアウトは、シンクとコンロを並列に配置するのが一般的です。

まとめ
キッチンの適切な畳数は、キッチンタイプ、家族構成、料理スタイル、LDK全体のバランスなど、様々な要素によって異なります。
この記事で紹介したポイントを参考に、ご自身のライフスタイルに最適な広さを検討してみてください。
畳の規格の違いにも注意し、具体的な面積をイメージしながら計画を進めることが重要です。
通路幅やワークトライアングルのレイアウト、収納スペースの確保も、快適なキッチンを実現するための重要な要素です。
これらの点を考慮することで、使いやすく、そして見た目にも満足できるキッチンを設計することができるでしょう。