2025.04.25

40代で叶えた終の住処。23坪の平屋という選択

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青森県弘前市・Aさん宅 |夫婦40代、子ども1人

リビングから壁沿いに続くテレビ台は、徐々に役割をベンチに変えていく予定。35㎝高で座りやすく、買い物帰りのときは荷物を置きやすい高さ

お子さんが大きくなり、自分たちのライフプランが将来まで見通せるようになったことが、Aさんご夫妻のマイホームづくりのきっかけでした。

まだ肌寒い5月、髙山建築の完成見学会に参加したご夫妻。「一人暮らしのための17坪の平屋でしたが十分広いという印象でしたし、家中が暖かいことに感動しました。サクラ材の床も心地よかったです」。

LDKの床は木目が滑らかに浮き上がる浮造り加工のスギ材。建具もすべてスギ材の挽板で造作した

髙山建築からの提案で、リビングとキッチンの間の壁には有孔ボードを使用。見せる収納としても機能している

初めて対面した髙山社長は「話をちゃんと聞いてもらえそうな雰囲気」で、人柄と手がける住まいの品質に安心と信頼を感じ、依頼を決めることになりました。「打ち合わせではアイデアの提案はもちろん、複数回の図面修正にも柔軟に対応いただき、建築に対する妥協のない熱意を感じました」と、Aさんは振り返ります。

大きな開口部がなくても十分な採光を確保できるのは、4方向に窓が配置されているため。漆喰の塗り壁が光を優しく反射してくれるので部屋の隅も明るい。2.2mから3.8mに上がる勾配天井が23帖のLDKをより広く見せてくれる

竣工まで約1年。完成した住まいは「まさに理想どおりです」。ナチュラルテイストに仕上げた優しさ漂う室内は、ふんだんに使われた自然素材が温もりを添えます。約23帖のLDKは約3.8mの勾配天井が数値以上のゆとりを演出する大空間。そのLDKを囲むように2つの個室や水まわりなどが配置され、それぞれの空間に最短距離でアクセスできます。

奥さんの希望で壁付けタイプにしたキッチンと造作カウンターでコの字型に。ホワイトアッシュ材を使用した約1m幅のカウンターは、作業台や収納棚、ダイニングテーブル、学習机を兼ねている。収納スペースは目的を明確にすることで最小限にとどめ、居住空間を可能な限り広げている

キッチンにも見せる収納を取り入れた。隠す収納よりも省スペースで済むというメリットがある

食事のときはAさんがキッチン側、奥さんとお子さんはカウンター側が定位置。カウンターの天板にはコンセントを埋め込み、ホットプレートや卓上コンロなども使えるように工夫した

暖冷房は18帖用の寒冷地用エアコン1台のみ。断熱・気密性能が高いため隅々まで快適な温度を保ちます。床まで暖かく、転倒の原因となるスリッパやカーペットも不要。室温が一定なので、結露やカビが発生せず、空気を清浄に保てることもメリットです。「一生に一度ですから、最後まで暮らせる住まいにしたかった」とご夫妻。

寝るためだけの部屋と目的を割り切った約5帖の寝室。床にはやわらかさと温かみを感じさせる長野県安曇野産のマツ材を使用している

水まわりも区切らず一体化した空間に。タオルや家族の下着はカウンター下の棚にまとめているので、取り出すときも収納するときも便利

視覚的なデザインの美しさはもちろん、年齢を問わず使いやすい間取りや良質な熱環境・空気環境で、家族の安全で健康な暮らしを生涯にわたって支えてくれる住まいが完成しました。

玄関の右手に約3帖のシューズクローク。靴だけでなく、上着やレジャー用品、日用消耗品なども置いておける。室内と同じ温度なので雨や雪が付いていても乾きやすい

窓は高性能トリプルガラス(樹脂サッシ)を採用。高めに配置し、深い軒の出による日射コントロール効果を最大限に

黒のガルバリウムを鎧張りし、アクセントに屋久島地杉をあしらった落ち着いた佇まいの外観。内部には耐水・対光性のシートを貼っているので丈夫